鍼灸と免疫


今回のテーマは「鍼灸と免疫」です。

昨今、テレビや雑誌で「鍼灸は免疫を高める」といったフレーズをよく目にするようになりました。では、なぜ鍼灸が免疫を高めるのかご存じでしょうか?メカニズムを知ると、実際に鍼灸施術を受けた際にどういう反応がご自身の身体で起きているのか想像しやすくなります。同時に鍼灸への不安が軽減されてリラックスした状態で施術を受けていただくことでより良い効果が期待できます。

たとえば、筋力トレーニングで「スクワットは美容と健康に良い」と聞くとスクワットをやってみようと思います。では、「スクワットは骨盤底筋群を鍛えることができ尿トラブルに効果的です。また、大殿筋も強くなりヒップアップに繋がります。さらには、筋肉量が増えて基礎代謝が上がることで適正体重を手に入れます。」と具体的なスクワットの効果と理由を知るとどうでしょう?俄然やる気が出て、身体の細部に意識が向けられることでトレーニング効果も変わってくるのではないでしょうか?これから少々難しい表現もでてくるかもしれませんが、免疫を高める身体づくりに役立てていただけると嬉しいです。

まず、免疫とは何かをみていきましょう。

免疫とは、体内に侵入した異物(ウィルス・細菌など)を体から排除する仕組みのことです。さらに、異物と直接または間接的に一生懸命戦ってくれているのが免疫細胞です。

このときの免疫細胞のバランスがとても重要であり「リンパ球(※1)が35%、顆粒球(※2)が60%、その他5%」の状態が、最も病気にかかりにくいと言われています。そして、このリンパ球と顆粒球のバランスをコントロールしているのが自律神経です。つまり、自律神経のバランスが乱れてしまうと免疫細胞のバランスも崩れて免疫力が下がってしまうことになります。

免疫が正常に機能するための鍵は、自律神経がバランスよく働いているかどうか”です。

次に、自律神経についてもう少し詳しく見ていきましょう。

自律神経には心と体の状態を活発にする「交感神経」と心と体を休ませる「副交感神経」があります。交感神経が優位な状態が続くと顆粒球が増えて、副交感神経が優位な状態が続くとリンパ球が増えます。リンパ球が増えすぎるとアレルギー疾患になりやすく、顆粒球が増えすぎると胃潰瘍や糖尿病などの病気が引き起こされることがあります。つまり、副交感神経が優位なら良いというわけではなく、日中など活動しているときは「交感神経」がしっかり働き、睡眠や休息をとっているときは「副交感神経」が働くことが一番望ましいのです。

また、自律神経が乱れてしまうと免疫機能のみならず、自律神経が支配している呼吸器、消化器、循環器、内分泌腺(ホルモン)、生殖器などでもトラブルが出てきて、慢性的な疲労、だるさ、頭痛、便秘、下痢、不眠、更年期障害などの様々な症状があらわれることがあります。

さて「鍼灸と免疫」についてですが、鍼灸によって免疫力がUPするメカニズムは数多くの研究や論文が発表されています。中でも、注目されているのが鍼灸による自律神経のコントロールによる免疫機能の向上です。身体には、自律神経を調整するツボが数多くあります。一例として、手に鍼灸刺激を与えると心拍数が減少し、足に鍼灸刺激を与えると内臓機能が活発になることが報告されています。つまり、これは鍼灸刺激で興奮している交感神経を抑え、副交感神経を高めるといった反応が起きているということです。鍼灸を受けると眠たくなるというお声もよくいただきますが、これも副交感神経がしっかり働きはじめた反応の一つです。


現代人は、過労やストレスにより交感神経が優位になりやすく、副交感神経に切り替えることが難しいと言われています。そこで、鍼灸刺激による自律神経のコントロールがとても有効と考えられます。そして、何回もお伝えしていますが、自律神経のバランスが整うと免疫力向上に繋がります。是非鍼灸を活用して頂いたり、お家でも自律神経のバランスを整えるような生活を送ってみてください。


(※1)リンパ球:抗体を作り、体内に侵入した異物(ウィルス・がん細胞)を記憶して、それが再び侵入した際は排除する働きを持ちます。

(※2)顆粒球:主に細菌などの異物を直接攻撃して処理します。




テレーゼ慶子


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